ウェブサイト改修後はじめてのブログになります。
今後、家づくりにまつわる話、技術、ノウハウ、研修や弊社での体験談、オーナー様体験談、社会情報などなど、読んでいただく皆様の為になるディープでニッチな情報を発信できたらと思いますので、よろしくお願いします。
他ではあまり書かれないような深い話を発信していくにあたり、まず最初に、これから家づくりを始める皆さまへ伝えておきたいことを書いていこうと思います。
【効率を考える・費用対効果を考える】
どんな家にしたいのか…
お洒落な家にしたい
落ち着いた家にしたい
住宅性能は高くしたい
暖かく涼しい快適な家がいい
地震が来ても安心できる家がいい
光熱費はかからないようにしたい
掃除がしやすい家がいい
生活動線が効率的な家がいい
維持メンテナンスでお金をかけたくない
etc…
みなさんそれぞれが思い描いている理想の家があると思います。
すでに調べたり動いている方もいるかもしれませんが、いざ踏み込んでいくと情報があまりにも多すぎて、あれこれとやりたいことも増えていく一方で、何が正しいか分からなくなったり、そして現実的な金額を前にした時には尻込みしてしまうことがあったりします。
もちろん選択するモノやコトによって初期費用には大きく開きがあります。
でも、最初にいくら安く見えるように工夫していても、ローコストでも家だけで2000~2800万、中間くらいの性能になれば3500万前後、性能高めの家になれば4000万前後、性能もデザインもフルスペックの家になれば求めれば求めるほど底なしに上がっていきます。
しかし、初期費用を抑えた分、維持メンテナンス等のランニングコストは逆転するため、結果として生涯で家にかかる費用は大きくは変わらない事も知っておかなければいけません。
むしろ、物価・光熱費上昇は平均的には2~5%程度で毎年上がっていくものとして考えることが重要で、そうなればローコストになればなるほど生涯で家に使うお金は高くなり、家づくりの本質に初期投資が出来ればできるほど生涯で家に使うお金は抑えられるので、逆に安くなります。
これはなにも家だけの話ではありません。
質の高い物を買えば買ったときは高くても、長持ちしたり耐久性があったり、燃費が良かったり、そのモノ以上の付加価値があったりと、トータルでみたときには最初に費用がかかってもローコストに比べて損をしていないということがほとんどです。
それはなぜか?
それは、ものづくりだけでなく、経済、人間活動、人間関係、良い事悪い事、この世のありとあらゆる因果関係が、科学的な、数学的なルールに則って引力のように引き寄せているからです。
いきなりぶっ飛んだ話ですが、決して宗教的な考えではありません。
分かりやすく言うと、安かろう悪かろう、お金持ちにお金が集まる、悪い人には悪い人が、良い人には良い人が集まる的な事であり、ごくごくあたり前な話です。
それが実は科学的にも証明されているということです。
自分たちの求めるモノに対して、質的に『効率的かどうか』『費用対効果がどうか』を、使用し続ける期間を加味して考える事こそが、失敗しない最大のコツになるのです。
そして、そのために必要な『確かな情報収集』も大切なファクターとなります。
【自分たちの選択が与える影響】
家づくりはお金も労力も時間も、人生の中では一番と言っていいほど大きなエネルギーを使います。
それは一つの家でみれば小さくとも、積もり積もって地球全体での戸数でみていけばかなりの量のエネルギー消費となります。
元手が無ければエネルギーは生まれません。
私たちが生きて活動出来るのも、食べて生活をしているからです。
食を考えた時、必要な食料はスーパーなどで買っており、そのスーパーは生産者から仕入れていて、生産するために費やす飼料や農業的エネルギー負荷などなど、全てのプロセスで活動していくためのエネルギー負荷が生じており、ありとあらゆる人、生物、環境への負荷により成り立っているのです。
暮らしも同じです。
建てる段階では工業的要素が多く関わる分、家づくりはじめ建築の分野ではやはり環境負荷が高くなります。
建てるだけでなくその後の暮らしで発生する消費エネルギー(電気・メンテナンスなど)は、生涯を50~60年と考えると計り知れません。
車や電車や飛行機等、移動手段や、仕事等での社会活動全体をみていくともっと大きな負荷となります。
その結果どうなるのか、誰にどう影響を及ぼすのか…
生態系や自然環境、人体、経済、この先の未来を生きる人たちに影響を及ぼすのです。
そう、私たちの何よりも大切でかけがえのない子どもたち、孫たちの未来に良くも悪くも大きな影響を与えてしまうのです。
また違う回で詳しく書いていこうと思いますが、どんな家に住むか、どんな家づくりを目指すかで末端まで広がる影響は大きく、たとえ小さな行いであってもバタフライエフェクトのように物事の大きな変化の初動となり得るのです。
今の私たちの世界や状況が過去の影響を踏まえて存在しているのと同じように、私たち一人一人の選択が、子どもたちの未来をつくっていきます。
そして、私たち一人一人の少しの意識の変化のみこそが、私たちのかけがえのない子どもたちの未来を守れるのです。
少し重く堅苦しい内容になってしまったかもしれませんが、先の世を少しでもより良くするためにも、これから家づくりを始めるにあたり、エネルギー負荷を最大限減らせるような家づくりをみなさんにはぜひ目指して欲しいと切に願っております。